【簡易版】つみたてNISAの金融機関選び
つみたてNISAを始めるにあたって、どこの金融機関で始めるに悩む事かと思います。
インターネットサイトやYouTubeで調べると細かく説明してくれているところが多いと思いますが、これからつみたてNISAを始めようとしている投資初心者にとっては、情報が多過ぎるという事もあるかと思います。
そんな投資初心者の方向けに「わかり易く」ではなく、「簡単」にどの金融機関を選べばいいか説明したいと思います。
どこで始めたらいいの?
結論から言うと、これから始めようとしている人、月々の積立額がつみたてNISA+特定口座を合わせても5万円程度が精一杯という人は、マネックス証券が最適解だと思います。
但し、三井住友カードのプラチナカードを既に持っているという人はSBI証券がおすすめです。
なぜマネックス証券が最適解なのかを出来るだけ簡単に説明していきます。
クレジットカードで積立購入ができる証券会社を選ぶ
つみたてNISAを取り扱っている金融機関は数多くありますが、まず最初に「クレジットカードで積立購入ができる金融機関」という条件で候補となる金融機関を絞り込みます。なぜクレジットカードで積立購入できる金融機関に絞り込むかというと、クレジットカード決済にする事でポイントを入手する事ができる為です。
例えば、クレジットカード決済で1%のポイント付与があったとした場合、3万円の積立購入を現金で行うと3万円分の投資信託の購入となりますが、クレジットカード決済だと購入した投資信託に加えて300ポイントが手に入ります。この300ポイントを利用して更に投資信託を購入すると3万300円分の投資信託が手に入るという事になります。つまり、クレジットカードで購入するだけで、1%の運用益が発生しているのと同じ事になります。中にはクレジットカードで積立が可能なものの選べる商品が10個未満という金融機関もありますが、そのような金融機関は投資対象の選択肢が極端に制限される為、除外とします。そうすると、候補は以下の3社に絞られます。
- 楽天証券
- SBI証券
- マネックス証券(2022年2月25日より開始)
クレジットカード決済で付与されるポイントの還元率を比較する
楽天証券・SBI証券・マネックス証券の3社に絞られましたが、それぞれクレジットカード決済時のポイントの還元率が異なります。それぞれのポイント還元率を表にまとめてみました。
楽天証券 | SBI証券 | マネックス証券 |
---|---|---|
1.0%(2022年8月まで) 0.2%(2022年9月以降) | 0.5% ノーマルカード 1.0% ゴールドカード 2.0% プラチナカード | 1.1% |
楽天証券はこれまで楽天カードによる投信積立はカードのランクに関わらず一律1.0%のポイント還元がありましたが、近頃サービスの改悪が発表され2022年9月以降は0.2%に変更となります。信託報酬が高い投資信託に関しては1.0%還元が継続しますが、つみたてNISAで大半の方が選ぶ国内株式、米国株式、先進国株式、全世界株式などのインデックスファンドの信託報酬は改悪条件に合致してしまう為、0.2%と還元率に変更となってしまいます。
SBI証券はクレジットカードのランクによって還元率が異なっています。ノーマルカードは年会費無料ですが、ゴールドカードやプラチナカードは年会費が掛かります。既に三井住友カードのゴールドカードやプラチナカードを持っているという方はそれを活用すると良いと思いますが、提携カードや法人カードは対象外となっているのでクレジットカード積立が行える対象カードをよく確認してみて下さい。三井住友カードを持っていない人は、投信積立のポイント還元の為にゴールドカードやプラチナカードを作るというのはおすすめできません。但し、三井住友カード ゴールド(NL)は年会費5,500円(初年度年会費無料)のカードですが、投信積立を含まない1年間の利用額が150万円を越えると年会費が永年無料という特典があるので、年間150万円以上利用する見込みのある方は、三井住友カードゴールド(NL)を取得するのを検討しても良いかもしれません。
マネックス証券は2022年2月25日から新たにクレジットカードでの投信積立サービスを開始します。積立を行えるカードはマネックスカードのみで年会費550円(初年度年会費無料)というクレジットカードですが、1年間で1度でも利用があれば次年度年会費無料となります。利用対象に投信積立での利用も含まれる為、マネックス証券でクレジットカードを利用した投信積立を行っている間はクレジットカードの年会費が掛からないという事になります。実質年会費無料のクレジットカードにも関わらず、ポイント還元率は1.1%とSBI証券でゴールドカードを利用した時よりも多いポイントが貰えます。
クレジットカードのポイントの使い道
クレジットカードを利用した際にもらえるポイントの還元率についてはご理解頂けたと思います。次に付与されるポイントの使い道に関して説明したいと思います。それぞれのクレジットカードで付与されるポイントは以下の通りです。
楽天カード | 三井住友カード | マネックスカード |
---|---|---|
楽天ポイント | Vポイント | マネックスポイント |
付与されるポイントの中で、そのポイントを利用して投資信託を購入できるものは2022年2月現在では楽天カードで貰える楽天ポイントのみです。三井住友カードのVポイント、マネックスカードのマネックスポイントは2022年中にポイントを利用した投資信託購入のサービスを開始するようですが、現時点では正確な日程などは発表されていません。但し、マネックスポイントは他社のポイントに交換が可能です。交換可能なポイントと交換率は以下の通りです。
交換可能ポイント | 交換率 |
---|---|
d ポイント | 1p → 1p |
amazon ギフト券 | 1p → 1p |
T ポイント | 50p → 50p(以降5p単位) |
Ponta ポイント | 1p → 1p |
nanaco | 50p → 50p(以降5p単位) |
WAON ポイント | 100p → 100p(以降50p単位) |
ANA マイル | 1000p → 250マイル(以降1000p単位) |
JAL マイル | 1000p → 250マイル(以降1000p単位) |
ANAマイルとJALマイルへの交換は交換率があまり良くありませんが、それ以外のポイントに関しては等価での交換が可能です。等価交換が可能なポイントの中で赤字にしたポイントですが、この3種類のポイントはSBI証券でポイント投資が可能なポイントになります。(dポイントは2022年2月21日より開始)
つまり、マネックス証券でマネックスカードを利用してつみたてNISA口座で3万円分の投資信託を購入した場合、付与された330ポイントのマネックスポイントをdポイント、Tポイント、Pontaポイントのいずれかに交換するとSBI証券の特定口座で330円分の投資信託を購入する事ができます。仮に購入した投資信託の基準価格に変動が無かったとした場合、マネックス証券でクレジットカード積立を行うだけ、資産が1.1%増えるという事なので、この仕組みを利用しない手はないと思います。
投資信託保有ポイントは考慮しなくて良いの?
証券会社によって投資信託を所有しているだけで付与されるポイントというサービスもあります。楽天証券はサービス改悪によりこの制度が無くなり、投資信託の保有額の合計が初めて〇〇万円を越えた時に〇〇ポイントという独自の制度に変更になってしまった為、ここではSBI証券とマネックス証券の差を比較したいと思います。
結論から言うと、保有している投資信託の額に合わせて付与されるポイントの付与率に関しはSBI証券が有利です。しかし、先に書いたクレジットカードのポイント付与率を含めて考えるとマネックス証券の方が有利なので、総額で数千万円分の投資信託を保有している、初期投資で数百万円分の投資信託を特定口座で購入する予定という人以外はマネックス証券を選んでおいた方が良いと思います。
付与されるポイントの利率は投資信託の銘柄によって異なる為、つみたてNISAで人気が高くSBI証券とマネックス証券の双方で購入が可能な eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)と eMAXIS Slim 全米株式(S&P500)を例に挙げて、付与されるポイントの還元率(年利)を比較をしたいと思います。
SBI証券 | マネックス証券 | |
---|---|---|
eMAXIS Slim 全世界株式 (オール・カントリー) | 0.042% | 0.03% |
eMAXIS Slim 全米株式 (S&P500) | 0.034% | 0.03% |
2つ銘柄を例に挙げてみましたが、他の銘柄も総じてSBI証券の方が還元率が多くなっています。しかし、この還元率(年利)の差を保有金額に当てはめてみると、気にする程の差でない事がわかります。
還元率差 | 10万円 | 50万円 | 100万円 | 300万円 | 500万円 | 1000万円 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
eMAXIS Slim 全世界株式 (オール・カントリー) | 0.012% | 12 | 60 | 120 | 360 | 600 | 1200 |
eMAXIS Slim 全米株式 (S&P500) | 0.004% | 4 | 20 | 40 | 120 | 200 | 400 |
保有金額によって上記のような差が発生します。上記は年間でのポイント差なので、実際は上記のポイント数を12で割った分が月々付与される事になります。ある程度の資金を投資する方はSBI証券の方がポイント還元率で有利ですが、これからつみたてNISAを始めるという初心者の方は、資産規模が増えていった時の保有ポイントの差よりもクレジットカード還元ポイントの差の方が大きい為、マネックス証券を選択するのが最適解だと思います。
但し、つみたてNISAをこれから始めるけど、入金力がついたら月々5万円以上投資したい、ボーナスが出た時などスポットで購入して資産を増やしたいという方は、つみたてNISAはマネックス証券で行い、追加購入分はするSBI証券の特定口座で購入するのが良いと思います。
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