粤港澳大湾区がブロックチェーン関連特許の最多地域になる

2018年2月18日、中華人民共和国国務院は「粤港澳大湾区」についての概要を発表した。

粤港澳大湾区
香港、マカオ、広東省の経済協力および発展を目指す計画。香港、マカオと、広東省珠江デルタ地域にある広州、深セン、東莞、珠海、佛山、恵州、中山、江門、肇慶という9都市から構成される。

これはこれらの地域が改革開放から40年以来、技術面のパイオニアであり続けた一方で、今後もう一段階発展したいという意味が込められている。

その中でも、ブロックチェーンと金融技術は新しいトレンドとして、必然的に高い価値を生み出すだろう。

浙江大学インターネット金融研究院と司南研究室および浙江インターネット金融連盟が共同で発表した「2018中国金融科学技術都市報告」によると、粤港澳大湾区の中心都市である広州、深セン、香港は国内トップ7に入っている。

その中でも深センのインターネットバンキングとインターネット保険、香港の高度なインターネット証券業界、広州の金融技術は全国をリードしている。

広州は深セン香港に比べると金融技術の面で少し劣るものの、中央銀行の華南支店、ネットイース(网易)本部、アリババ・テンセントの研究所などを有している。いずれにしろ、粤港澳大湾区の発展に大きな役割を果たすことに変わりはない。

粤港澳大湾区の産業分布

零壹财经(中国インターネット金融に特化したサイト)によると、広東省珠江デルタの9都市には11003の企業がある。産業分布をみると、そのうち10000以上の企業が科学技術、情報系を扱っている。

主要企業でいうと、テンセント、ファーウェイ、迅雷などがブロックチェーンプロジェクトを推進している。

銀行関連では、広東省珠江デルタ地域のブロックチェーン応用はサプライチェーンファイナンスに焦点が当てられている。

中小企業はキャッシュ以外信用材料がないため、銀行から融資を受けるのが困難だ。これを解決するために、主要な商業銀行の深セン支店が中心となり、ブロックチェーンベースの取引プラットフォームを立ち上げた。

香港では2018年7月、香港金融管理局が主導となり、香港上海銀行(HSBC)、スタンダードチャータード銀行などを含む21の銀行が提携し、ブロックチェーン技術に基づく貿易プラットフォームを構築した。

他にも、粤港澳大湾区にはいくつかのユニークなプロジェクトがある。

たとえば、佛山のIMI身分証明プラットフォームはブロックチェーン技術を用いて安全性を確保しながら住民の個人情報を集め、公的な業務においてそれらのデータを参照できる。

また香港版アリペイのAlipayHKは、香港在住者が本土上陸後、モバイル決済においてのみ中国本土のサービスも使えるようにする決算プロセスを開始している。

独自の研究開発能力

粤港澳大湾区内の研究開発能力の高さは注目に値する。広東省には585ものブロックチェーン企業があるだけではなく、深センと広州はそれぞれ355と120の関連特許を有する。香港とマカオを考慮せずとも、粤港澳大湾区はすでに国内で最も特許が多い地域だ。

研究開発に強い理由は大学と研究機関の多さであろう。この地域内の5つの大学がQS世界大学ランキングで100位以内に入っており、中山大学、南中国工科大学、南部科学技術大学、深セン大学、香港工科大学、香港科学技術大学、マカオ科学技術大学など、全部で14のブロックチェーン研究機関がある。

優秀な人材が多いことも、ブロックチェーン産業の発展に貢献している。粤港澳大湾区には2000万人の労働者がおり、その1/4が海外留学経験者だ。

粤港澳大湾区の課題

もちろん、粤港澳大湾区の状況は完璧ではない。広州、深圳、香港はそれぞれ中心機能として重複しているため、金融技術とブロックチェーンの分野における資金調達で競争し、資金配分が非効率になっている。

広州は年間2億元という大規模な支援を受けているし、深センは政府、企業と提携し30億元の産業基金を設立しているが、これらが産業の発展に効果的な役割を果たしているかどうかは定かではない。

外から見れば粤港澳大湾区のGDP規模はサンフランシスコ、ニューヨーク、東京などの世界クラスのベイエリアと比較してもトップを占めているが、まだまだ差は大きい。

ブルームバーグのデータによると、粤港澳大湾区の一人当たりGDPは21,764ドルだが、それでもサンフランシスコの98,637ドルをはるかに下回ってる。

経済力の視点ではまだ国際的な一流都市との開きはあるものの、ブロックチェーンなどのフロンティア産業の発展には十分なエネルギーがある。


記事ソース:粤港澳大湾区风口吹起金融科技急先锋 筑全国区块链相关专利最多地区